在庫管理とは? 5Sの意味や具体的な在庫分析の手法も紹介します
商品を販売する上で欠かせないのが「在庫管理」です。
在庫管理を適切に行うことで、コストを削減することができます。
では、具体的に在庫管理はどう行えばよいのでしょうか?
この記事では、在庫管理の概要や具体的な内容、コツに至るまで丁寧に説明します。 */
在庫管理について
在庫管理について説明する前に、前提として「在庫」という言葉の定義について解説します。
在庫とは?
「在庫」とは、販売される目的で社内に保存されている物のことを指します。
JIS(日本興業規格)は在庫を「将来の使用、需要に備えて意図的に保有する原材料、仕掛品、半製品及び製品」として定義しています。
そのため、製造業においては販売される前の製品や商品のみならず、加工前の原料や部品なども「在庫」としてみなされるのです。
在庫管理とは?
「在庫管理」とは、企業が現在保有している在庫を、生産や販売などといった活動に照らし合わせて、最適な状態・量で提供できるように管理することを指します。
具体的には、製品の売れ行きや販売計画に応じて、在庫を常に適切な数量・保管状態で管理することです。ただ在庫を供給するだけでなく、返品対応や古くなった在庫の廃棄処分といった業務も含まれます。
これらの業務を通じて、在庫の数や状態を正確に把握・管理します。
在庫管理のメリット
それでは、在庫管理を行う事にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
ここでは、在庫管理のメリットについて3点紹介します。
1.コストを削減できる
在庫数を可視化することで、不要な発注や余剰在庫を減らすことができます。余剰在庫を持たないようにすることで、倉庫スペースや保管費用・廃棄ロスを削減することができます。
製品を調達する現場においては、在庫切れを防ぐために余剰在庫を持とうとする考えが働きやすいですが、在庫数の可視化はこれらの考えを無くすため、安心して必要最低限の在庫を置くことができるようになります。
2.機会損失を防ぐことができる
顧客から注文を受けても、在庫不足であった場合、売り上げ低下のみならず企業に対する信用低下といったトラブルが起こってしまう可能性もあります。
常に適切な在庫量を維持することで、機会損失を防ぎ、売り上げ増加やリピーター率向上にもつながります。
3.業務を効率化できる
適切な在庫管理を行うことで、業務を効率化させることができます。具体的には、在庫の位置や数量を可視化することで、在庫を探す時間や手間を大幅に減らすことができます。顧客から在庫に関する問い合わせがあった際にも迅速に対応できるので、顧客満足度向上にもつながるでしょう。
また、入出庫作業を効率化することで、従業員の負担を軽減し、生産性を向上させることもできます。
効率よく在庫管理をするために必要な「5S」とは?
「5S」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
これは在庫管理をするに至って必要とされる考え方のことであり、5つの要素から成り立っています。
ここでは「5S」について紹介します。
「整理整頓」も実は5S? 5Sの内容について
5Sは職場環境を整えるための5つの要素の頭文字をとった名称です。
整理(seiri):「いるもの」と「いらないもの」を区別して後者は捨てること。
整頓(seiton):「いるもの」をすぐに使えるように場所と置き方、数量を定めること。
清掃(seisou):掃除をして整理・整頓したものがいつでも使えるように点検すること。
清潔(seiketsu):清掃された綺麗な状態を保つこと。
躾(shitsuke):整理・整頓・清掃・清潔を習慣化すること。
「整理整頓」など日常でもよく使う言葉が多いですが、日常生活のみならず在庫管理においてもこれらの考えは重要なのです。
5Sのメリット
5Sには、「業務効率・安全性の向上」「職場環境を快適にできる」といったメリットがあります。
小さなムダを1つ1つ無くせば、ムダが少なったことで作業効率があがり、人件費などのコストを削減やひいては会社の利益向上にもつながるのです。
基礎的なことですが、だからこそ手を抜かないように倉庫内の5Sを行うようにしましょう。
具体的な在庫管理の方法
それでは、在庫管理は具体的にはどのように行えばよいのでしょうか?
主な在庫管理の方法は2つについて、ここでは紹介します。
1.エクセルを用いて在庫管理表を作成する方法
1つ目は、エクセルを用いて、人力で在庫管理票を作成する方法です。
在庫管理表とは、商品名や品番、入出庫数や在庫数それぞれの数量や処理日の日付を記入するもので、これを作成することで在庫を正確に把握できます。作成の際には、エクセルテンプレートやエクセル関数を用います。
メリットとしては、導入費や運用費といったコストがかからない点が挙げられます。
デメリットとしては、人的コストがかかる点、入力漏れや重複ミスなどの人的ミスが起こる可能性がある点、リアルタイムでの在庫管理が難しい点、他の在庫管理ツールとのデータ連携が難しい点などが挙げられます。
規模が小さく、本格的な在庫管理を必要としない企業に向いている方法と言えるでしょう。
2.在庫管理システムを用いる方法
2点目は、在庫管理システムを用いる方法です。
在庫管理システムとは、在庫状況や入出庫状況を一元管理できるシステムのことです。棚卸し機能や在庫分析機能なども備えているものが多いため、在庫管理業務を効率化させることができます。現在はクラウド型のものやAI・IoT機器が人気となっています。
メリットとしては、システムの開発やインフラ調達が必要ないためスピーディーに導入できる点、リアルタイムで在庫状況を管理できる点、人的ミスを軽減できる点などが挙げられます。
デメリットとしては、コストがかかる点、特に無料で使用可能なものにはセキュリティ面で不安が残る点、使用に慣れるまで時間がかかる点などが挙げられます。
在庫管理システムは個人向けから小売り業向け、大規模倉庫向けなど、様々な種類が存在します。そのため、自社の規模や商品に合わせたシステムを選ぶことができます。
在庫管理を見直すために必要な「在庫分析」とは?
在庫管理を効率よく行うためには、在庫状況を分析する「在庫分析」を行う必要があります。
在庫分析はRDCAサイクルの「C(check=評価)」に当たり、自社の在庫管理の現状を正しく把握して在庫管理の状況を改善するために必要です。
在庫分析を行うことで、単に在庫管理状況を数字で捉えるだけでなく、倉庫内においてどの商品が売れ筋なのか、適正在庫数はどの程度かといった改善施策につながる状況を把握することができます。
このように、在庫分析は自社の売り上げを伸ばすためにも重要なのです。
それでは、具体的な在庫分析の種類を4つ解説していきます。
1.ABC分析
「ABC分析」とは、在庫の出荷量や売り上げを分析して、在庫に優先順位をつける手法です。売れ筋商品と判断した商品を優先的に管理することで、利益を多く生み出すことができます。
ABC分析においては在庫を以下の3グループに分けます。
Aグループ:売れ筋商品。在庫が切れないよう最優先で管理。
Bグループ;そこそこ売れる商品。現状維持で管理。
Cグループ:ほとんど売れない商品。在庫管理体制を緩める他、取り扱いをやめたり利益が見込める商品への入れ替えを場合によっては検討する。
売上高と売り上げの構成比率からグラフを用いれば可視化することが出来ます。その可視化されたデータを元に、どの在庫がどのグループなのかを検討するようにしましょう。
2.在庫波動分析
「在庫波動分析」とは、在庫が多い月、もしくは少ない月を分析して、在庫数を月ごとに調整する手法です。物流業界においては「波動」は時期や時勢、施策などによって上下する、物流の波のことです。たとえば、セール期間は商品が普段よりも売れるため、物流の変動が大きくなります。このように物流の変動が大きい時「波動が大きい」というのです。そして「在庫波動分析」をし、月ごとの需要傾向を把握して適切な在庫数を見定めることで、余剰在庫や在庫不足を防ぐことができます。
年間の売り上げ数量と比較して、どれくらいの月数で在庫がさばけるのかを表す「在庫月数」が上がっている部分に着目し、在庫月数が高い月は在庫数を減らし、反対に在庫月数が低い月は在庫数を多めにするとよいでしょう。
3.在庫回転率分析
「在庫回転率分析」とは、一定期間のうちに在庫がどれだけ消費されたかを分析することです。この値を同業他社と比較することで、自社の業績が好調かどうかを分析することができます。
在庫回転率=期間中の出庫数量(金額)/期間中の平均在庫数量(金額)
在庫回転率が低い場合は滞留在庫が多い状態に陥っています。経年劣化など、リスクの高い在庫管理を行っている状態と言えるため、後に紹介する在庫波動滞留・廃棄分析を行った方がよいでしょう。
4.在庫波動滞留・廃棄分析
「在庫波動滞留・廃棄分析」とは、滞留在庫や廃棄された在庫を可視化し、在庫の無駄を無くす分析のことです。「滞留在庫」とは動きが無く売れる見込みのない在庫のことであり、滞留在庫の動きの無さしだいでは廃棄や商品の入れ替えを検討する必要があります。
また、滞留在庫数を減らす施策としては、値下げやアウトレットストアへ卸すこと、また在庫処分業者に買い取ってもらうといったものが考えられます。
滞留期間や在庫の金額や滞留数値を可視化し、在庫の無駄を正確に把握したうえで、その無駄を無くすようにしましょう。
発注方式の種類
どのタイミングで発注するかも在庫を管理する上で重要です。
ここでは、古くから製造業で用いられている簡易発注方式2つについて解説していきます。
ダブルビン法発注方式とは?
「ダブルビン法発注方式」とは、2つのスペースを用いて発注タイミングを決める発注方式です。ツービン法、2棚方式、複棚法などと呼ばれる場合もあります。
例えば2つの棚AとBが存在するとし、生産部品などをその棚の中にいれて管理するとします。Aの棚が空になったところで発注をかけ、続いてBの棚の在庫を使用します。Bの棚を使用中にAの棚の在庫が補充され、再びBの棚が空になったところで発注をかけ、Aの棚の在庫を使用、と繰り返していくのがダブルビン法式です。
ミニ・マックス法発注方式とは?
「ミニ・マックス法発注方式」は、最低在庫数と在庫上限数を決めておき、最低在庫数を下回ったら在庫上限数に戻るよう発注する方式のことです。
最小数(Mini)と最大数(Max)の数値を定めることからこのような名前がついています。
この2つの発注方式のメリット・デメリット
この2つの発注方式には共通するメリットとデメリットが存在します。
メリットは、「在庫数確認の手間を省ける」「発注のタイミングがわかりやすい」という点が挙げられます。
細かい在庫を1つずつ数えたり、電池など残量を目視できないものの在庫数確認は難しいですし手間もかかります。在庫数量を数えなくてもストックが一定量無くなれば発注をかけるという方法をとれば、簡単に在庫数を維持することができます。
また、発注のタイミングがわかりやすいので、新人でも簡単に発注することができ、新人の教育にかけるコスト削減にも繋がります。
デメリットは「需要変動についていけない可能性がある」といった点が挙げられます。
この発注方式は常に同じ注文数で発注を繰り返すため、需要が減った場合在庫を消化しきれない可能性があります。とくに消費期限や賞味期限があるものに関しては廃棄という形になる可能性もあります。
また、急な需要増加により、納入リードタイム中に在庫切れを起こしてしまう可能性もあります。
以上の理由より、ダブルビン法発注方式とミニ・マックス法発注方式は需要が安定している商品や材料に向いている発注方式と言えるでしょう。
終わりに
いかがだったでしょうか?
一口に「在庫管理」と言っても、その内容は多岐に渡ります。
ただ在庫の数を把握するだけでなく、在庫分析も適切に行い、自社の利益向上に役立てましょう。
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