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基準在庫とは?その計算式や安全在庫との違いについても解説します

「基準在庫」と「安全在庫」の違いをご存知でしょうか。

在庫を適切に管理して利益を最大化するためにはこの二つの在庫に関する理解が必要です。

この記事では、「基準在庫」と「安全在庫」二つに関してその意味や維持するメリット、注意点や計算方法までを紹介します。

基準在庫とは? 具体的な計算式や運用上の注意点も解説します


まず、基準在庫について紹介します。

基準在庫とは

基準在庫とは、過剰在庫及び欠品にならない最小限の在庫数のことです。「適正在庫」と呼ばれることもあります。在庫が過剰になると保管コストが高くなったり、在庫回転率の低下を引き起こすなど自社の経営に悪影響を及ぼします。反対に在庫の欠品は販売機会の喪失につながります。基準在庫を維持すれば、コストを最小限に抑え、企業の利益を最大化することができるのです。

基準在庫のメリット

基準在庫のメリットは

1. コストを削減できる
前述したように余剰在庫が存在すると、保管コストが嵩み、在庫回転数が低下するなどの悪影響が起こります。基準在庫を設定すると、在庫を最小限に抑えることができるため保管スペースやコストを削減できます。

2. キャッシュフローを改善できる
在庫は保管しているだけでは利益にはならず、販売して初めて売り上げになります。基準在庫の設定は在庫の現金化を促すため、キャッシュフローの改善を促すことができる。

基準在庫計算の方法

次に、基準在庫の主な計算方法を2つ紹介します。

「安全在庫+サイクル在庫」
基本的には、基準在庫はこの計算方法で算出します。
安全在庫とは、後に詳細に説明しますが、多少の需要変動があっても欠品が起きないように備える在庫量のことです。
サイクル在庫とは、発注してから次に発注するまでの間に消費される在庫量の半分のことで、毎月1日に発注する場合、約15日間に消費される在庫量がサイクル在庫にあたります。この計算式を用いる場合は安全在庫の数値を求めると共に、市場の状態などを予測してその都度計算する必要があります。

「在庫回転率+在庫回転期間」
在庫回転率とは1年間に在庫が入れ替わった回数を示します。また、在庫回転期間は倉庫資産が完全に入れ替わるまでにかかった年数を表します。
「在庫回転率=年間売上高÷平均在庫金額」、「在庫回転期間=棚卸資産合計÷年間売上高」でそれぞれ求めることができます。
この計算式では安全在庫を求める必要がありません。また、自社が基準在庫数を保てているかを判断する場合に便利な計算方法と言えます。

基準在庫の注意点

基準在庫を考える上での注意点を2点紹介します。

1. 定期的に見直す
1度基準在庫数を算出したら、一定期間はその値を基準として運用をしてみましょう。在庫の過不足が起こる頻度が減り、安定すればそのまま運用を続けてよいでしょう。
しかし、基準在庫を定めたあとも在庫過剰や欠品が減らない場合は何故改善が見られないのか原因を究明し、再度適切な値を算出しなおすようにしましょう。また、現在うまく運用できている商品についても、1年後には市場の状態の変動により最適な基準在庫数が変化している可能性があります。定期的に基準在庫数の最適化をするようにしましょう。

2.1年間の平均在庫から算出する
1年の間でも商品の需要数は月ごとに大きく変動している可能性があります。
そのため、基準在庫を検討する際には、1か月や1シーズンといった短い期間ではなく、最低でも1年間の平均在庫の変動を求めてから検討しましょう。

安全在庫


次に、安全在庫について紹介します。

安全在庫とは?

安全在庫とは、欠品防止のために、通常必要な在庫とは別に最低限保持しておく在庫のことです。英語では「Safety Stock」と呼称されます。流行や季節など、不確定な要素により急な需要変動があった場合にも商品に欠品が生じない程度の量をあらかじめ蓄えておくことで、需要変動による販売機会損失を防ぐことができます。

ちなみにJIS規格は、安全在庫は「需要変動又は補充機関の不確実性を吸収するために必要とされる在庫」と定義しています。

また、基準在庫を定める際にも安全在庫の値は必須となります。
適正在庫は在庫の下限値と上限値を決めるので、その適正在庫の下限値を決める際に安全在庫の数量が参考になるのです。

安全在庫のメリット

安全在庫を持つメリットは3点挙げられます。

1. 販売機会の損失を防げる
安全在庫を確保していれば、急な需要変動が発生し商品が想定よりも売れた際にも安全在庫を商品として提供すればいいので欠品リスクを防ぎ、販売機会の損失を防止することができます。さらに、欠品が発生しにくくなれば顧客満足度や売り上げの向上にもつながります。

2.キャッシュフローを改善できる
在庫は販売して初めて利益につながるため、ただ持っているだけでは保管コストが嵩み、適正在庫数で保管管理をしなければキャッシュフローを悪化させてしまいます。安全在庫を把握し在庫削減に取り組めば、最低限の在庫量を保つことができ保管コストも最小限にとどめることができます。

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3. 在庫量を調整しやすくなる
安全在庫を現在の在庫量と比較することで、余剰や不足がないかを一目で確認することができます。そのため、安全在庫は在庫量を調整する際の一種の指標と言えるでしょう。余剰在庫の無駄を削減することで、業務効率の向上にもつながります。

安全在庫の注意点

安全在庫を考える上での注意点を2点紹介します。

1.欠品を必ずしも防げるわけではない
前述したように安全在庫は欠品防止に役立ちますが、欠品の発生を完全に防ぐことは出来ません。欠品許容率の値がどんなに低いとしてもいつかは欠品が生じる可能性がありますし、その上完璧に防ごうとすると多くの在庫を抱え込むこととなってしまいます。その場合は余剰在庫が生じ、余分に保管コストが生じてしまいます。
そのため、現実的には欠品許容率を0%にはせず、ある程度の欠品は許容するべきなのです。

2.安全在庫量の算出が面倒
安全在庫量を算出するためには、安全在庫係数や標準偏差、リードタイムの数値などを先に計算する必要があります。そのため取り扱っている全ての在庫の安全在庫量を算出する場合かなりの時間と手間がかかってしまいます。

安全在庫計算方法

安全在庫は以下の式で求めることができます。

安全在庫=安全在庫係数(安全係数)×標準偏差×√発注間隔+調達時間(リードタイム)

安全在庫係数や標準偏差の設定方法について、以下詳しく説明していきます。

「安全在庫係数」とは欠品を許容できる割合(欠品許容率)を係数に直したものです。欠品許容率とは、どのくらいまでなら欠品しても許容できるのかという値のことです。例えば欠品許容率が2%の場合、100回中2回未満の欠品であれば大丈夫だと判断できます。この欠品許容率は、商品の種類や過去のデータなどから決定します。
また、安全在庫係数はエクセルの関数でも計算できます。その場合の計算式は、
「安全在庫係数=NORMSINV(1-欠品許容率)」です。

標準偏差は、需要の平均値のばらつきを判断するための数値です。需要の変動を知るために欠かせない数値でもあります。この標準偏差が小さいほど、需要が安定していることを示しています。標準偏差は、対象となる商品の過去の出荷量や販売数量から算出することが出来るのですが、複雑な計算のため、EXCELなどの関数を使って調べるのがおすすめです。

発注間隔+調達時間、通称「リードタイム」とはその名の通り発注や納品にかかる時間のことです。材料発注における日数間隔と調達にかかる時間を合計することで算出できます。例えば発注してから4日目に材料が届いた場合、発注リードタイムは3日となります。次の注文が最初の発注から8日後であれば発注間隔は7日となります。
また、安全係数算出の際にはこの合計値に平方根を付けることを忘れないようにしましょう。

終わりに

いかがだったでしょうか。

安全在庫と基準在庫を正しく定めて運用することで、自社の在庫管理を効率よく行えるようになります。

適切に運用し、自社の利益向上につなげましょう。

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