作業用の雨合羽はどうやって選ぶ?5つのポイントを徹底解説!
悪天候時に活躍する雨合羽。特に梅雨の季節や雪の季節の現場には必須です。
しかし作業用の雨合羽は大変多くの種類があり、簡単に選ぶことができません。
そこで今回の記事では、適切な作業用の雨合羽を選ぶ方法についてまとめました。
選ぶポイントだけでなく、具体的に選ぶべき素材についても特徴とともに紹介しています。
作業用雨合羽を選ぶ5つのポイント
作業用雨合羽は現場や作業内容によって選び方が異なります。
そこで選び方のポイントを5つ解説していきます。
結論、「耐久性」「防水性能」「快適さ」「安全性」「価格」が選ぶ時のポイントです。
それでは具体的にそれぞれのポイントを見ていきましょう。
ポイント①:耐久性で選ぶ
まずは耐久性です。どの程度の耐久性が必要かによって、選ぶべき商品が変わってきます。
警備や誘導のような比較的軽い動きのみの場合はそこまで高い耐久性は必要ありません。
しかし現場によっては重いものを運んだり、体を動かしたりと衣服がたくさん摩耗するようなハードな環境で使用される場合もあると思います。
そんなときには摩耗に強い素材を選ぶことが大切です。よく消耗する肘や膝の部分が補強されているタイプの雨合羽もあります。
下手に安くてそこまで耐久性がないものを購入してしまうと、すぐに破損してしまい買い直す羽目になる可能性もあります。
そうなってしまっては本末転倒なので、必要なスペックのものをはじめから用意するようにしましょう。
ポイント②:防水性能で選ぶ
雨の日に使用するため、やはり重視したいのは防水性能ですよね。
防水性能を選ぶ時の指標と、選び方について解説します。
耐水圧が防水性能の指標
雨合羽を選ぶ時、防水性能の指標となるのは「耐水圧」です。
どれくらいの強さの雨・水圧に生地が耐えられるかを示したもので、単位には「mm」が使用されます。
耐水圧の目安はこちらです。
【200mm-300mm】
この耐水圧は、小雨程度に耐えられるレベルです。
コンビニなどでよく売っているナイロン製の傘はこのくらいの耐水圧だと言われています。
【2,000mm-5,000mm】
通常の雨に耐えられるレベルです。
衣類であれば、このあたりの耐水圧からレインウェアと呼ばれるようになります。
【10,000mm】
強風を伴う大雨に耐えられるレベルです。
雪に耐える必要があるスキーやスノーボードで用いられるウェアは、このくらいの耐水圧が多いです。
【20,000mm】
台風に耐えられるレベルです。
登山に使用するウェアは20,000mm以上の耐水圧です。
【30,000mm】
台風でも「長時間」耐えられるレベルです。
何がなんでも水の侵入を許したくないようなハードなシーンで使用されます。
どの程度の耐水圧を選ぶべき?
作業の内容や、どの程度濡れる環境にあるかによって、選ぶべき耐水圧は変わってきます。
ちょっと外に出るくらいの作業であれば、2,000mm以上程度の最低限の耐水圧で十分でしょう。
一方で大雨が降っても晴れの時と変わらず長時間作業しなくてはいけないといったハードな現場では、10,000mm以上の耐水圧はほしいところです。
現場の状況を鑑みて、必要な耐水圧を選択しましょう。
ポイント③:快適さで選ぶ
快適さは透湿性と動きやすさを基準にしよう
どれだけ雨による浸水が防げたとしても、着用しているのが不快であれば長時間の作業は難しくなります。
快適さは主に「透湿性」と「動きやすさ」を基準に選ぶと良いです。
それぞれ具体的に解説していきます。
透湿性が高いと蒸れにくい
雨合羽といえば、とにかく蒸れてちょっと動いただけで汗だくになってしまうというイメージがある人も多いです。
これは透湿性が低いことによって引き起こされます。
透湿性とは、蒸気となった水分を生地が外に逃す働きのことです。
耐水圧のように数値化されており、単位は「g/m2」が使用されています。
価格の安い雨合羽は、この透湿性が低いために蒸れてしまうのです。
雨合羽というと防水性にばかり注目してしまいがちですが、透湿性についても忘れずに検討するようにしましょう。
透湿性の目安は?
ではどのような透湿性を選べば良いのでしょうか?
蒸れたくない場合、5,000g/m2が最低ラインです。
しかしこの程度であればたくさん動くとだいぶ蒸れてきます。
そのため快適性を求めるなら、通常の動きをする現場の場合で10,000g/m2、よりハードな現場では20,000g/m2以上あると安心だといえます。
よく体を動かす現場ではストレッチ性で動きやすさを
ストレッチ性のある素材を選ぶことも重要です。
特によく体を動かす現場では、ストレッチ性がないと作業の効率が下がってしまいます。
ポイント④:安全性で選ぶ
雨が降っていると周囲の見通しが悪くなり、周囲から見えにくいことによる事故が考えられます。
さらに夜間の作業を行う現場であれば一層危険です。
安全性を高めるためには、視認性を確保するのがポイントです。
雨合羽の視認性のために、リフレクターと呼ばれる光を当てると反射して目立つものがついている雨合羽を選びましょう。
ポイント⑤:価格で選ぶ
高性能になればなるほど、やはりコストは高くなってしまいます。
だからといって必要なスペックを無視してコストを削ってしまうと、すぐに使えなくなって安物買いの銭失いになってしまいます。
代表的な素材の価格は?
適切なコストを判断するために、素材ごとの相場を知ることが重要です。
そこで代表的な3つの素材について、特徴と価格相場をまとめました。
コスパの高い「東レエントラント®」
「東レ エントラント®」は東レが開発した防水性能と蒸れにくさのバランスが取れた素材です。
耐水圧と透湿性はそれぞれ10,000mm程度と十分なスペックを持ちながら、8000円程度で購入することができます。
そこまでハードな現場でなければ、非常におすすめの素材です。
蒸れにくさを重視するなら「ディアプレックス®」
「ディアプレックス®」は三菱重工が開発した世界最高水準の素材です。
特に蒸れにくさが優れており、その透湿性はなんと16,000g/m2です。
また、30,000mmの耐水圧も兼ね備えている大変優秀な素材です。
価格は上着で1万円台半ばからとなっています。
最強の防水性能を誇る「ゴアテックス®」
「ゴアテックス®」はアメリカのゴア社が開発した高スペックな素材です。
アウトドアアイテムや、最近では靴なんかにも使われているためご存知の方も多いでしょう。
ゴアテックス®は特に防水性能が高い素材で、耐水圧はなんと45,000mmです。
透湿性も13,500g/m2と高スペックで蒸れにくいです。
価格は2-3万円程度と高級です。
多少コストはかかっても間違いない選択をしたい場合には、ゴアテックスが最適です。
【まとめ】現場にあった雨合羽を選ぼう!
作業用に使う雨合羽の選び方のポイントを解説してきました。
自分の現場にどんな雨合羽が必要なのか知ることができましたか?
作業用の雨合羽には用途に応じてさまざまな種類が存在します。
コストを削って必要な性能を手に入れられなかったり、反対にオーバースペックなものを選んでしまったりしないよう、現場の状況をしっかりと確認して購入する雨合羽を選択するようにしましょう。
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