長時間作業の現場で活躍する熱中症対策グッズは?
現場での作業が多い職場で、夏が近づくと頭を悩ませられるのが熱中症対策です。
年々暑さが厳しくなっており、毎年のように熱中症のニュースが報道されています。
実は熱中症を防ぐには水分補給を促すだけでは不十分だと知っていますか?
今回は熱中症対策の必要性、熱中症の原因、そして効果的な熱中症予防グッズについて解説していきます。
熱中症対策は必須
「うちの現場ではまだ熱中症が出ていないから大袈裟な対策は不要だろう」
「うちは屋外の現場ではないから熱中症対策は必要ないだろう」
このように考えている場合は危険です。熱中症は入念な対策が必須です。
職場での熱中症死傷者は1000人以上
熱中症というと高齢者が重症化するイメージがありますが、働く世代であっても熱中症で死傷するリスクがあります。
厚生労働省の調べによると、2023年の「職場における熱中症による死傷者の数」は1054人となっており、2019年-2021年ごろに大幅に下がっているのを除くと増加傾向にあります。
2019年-2021年に関しては新型コロナウイルスの感染拡大に伴う行動制限が背景にあると考えられるため、コロナ前の状態に戻りつつある現在は熱中症対策を万全にする必要があります。
【参考】
厚生労働省「令和5年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況」
https://neccyusho.mhlw.go.jp/pdf/2024/coolwork2023_sokuhou.pdf
屋内の作業でも注意が必要
熱中症といえば屋外で発生しやすいイメージが強いですが、屋内の現場であっても発生する可能性は高いです。
同じく厚生労働省によれば、2021年に発生した熱中症のうち、20%超が屋内での作業時に発症したと伝えています。
そのうち45%が製造業従事者の患者ということで、工場など屋内での作業においても熱中症対策は必須です。
参考
厚生労働省「令和3年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況」
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/000900477.pdf
熱中症はなぜ起こる?水分補給だけで対策できないの?
熱中症は体内に熱が溜まることで発生する
熱中症の原因は、体に熱が溜まったまま放出されないことにあります。
通常、人間は自動的に熱を放出して体温を調整する機能を持っています。
しかしこの体温調整機能がうまく働かないことで、体内に熱が溜まったままの状態になってしまいます。
これが熱中症です。
このように熱が体内にこもってしまうのを防ぐために、あらゆる手段で対策を講じる必要があります。
水分補給は必須だが、それだけでは不十分
熱中症の対策といえば、一番に思い浮かべるのがこまめな水分補給です。
もちろん水分補給は重要な熱中症対策です。汗を大量にかくことで体内は水分が不足してしまうからです。合わせて適度な塩分をとることも効果的だと言われています。
しかし十分な水分補給をしていても、熱中症になってしまうケースもあるのを知っていますか?
それは水分不足以外にも熱中症になる原因が存在するからです。
熱中症は環境・からだ・行動の3つの要因によって引き起こされます。
1つ目の環境要因の例は、高い気温や高い湿度、エアコンがない部屋や、窓が閉め切られた状態などです。
2つ目のからだ要因とは、低栄養状態や持病、寝不足などによるものです。
3つ目の行動要因とは、激しい運動や長時間の屋外作業などが挙げられます。
このように熱中症にはさまざまな要因があるため、水分補給以外にも対策をすることが熱中症の予防に必要なんです。
熱中症対策グッズで万全な環境を作ろう
現場での熱中症防止を、従業員個人の努力に頼るだけでは十分な対策とはいえません。
どれだけ個人が熱中症予防に努めてこまめな水分補給や十分な睡眠などを行っても、環境が原因となって熱中症になってしまうこともあるからです。
暑さや風通しの悪さなどといった環境要因を改善するには、熱中症対策グッズを上手に活用することが効果的です。
屋外の現場で活躍するおすすめ熱中症対策グッズ
それでは熱中症対策に有効なグッズを紹介していきます。
ミスト発生機
屋外でエアコンを設置できないような現場でも、ミストによって暑さを和らげることができます。
固定式だけでなく移動式の製品もあるため、どのような現場でも合うものが見つかるでしょう。
業務用扇風機
屋外、屋内共に活躍する業務用扇風機。
かなり普及しているため、すでに使用している現場も多いのではないでしょうか?
業務用扇風機もさまざまなタイプがあり、床に設置して使うスタンドタイプから天井付タイプまで、あらゆる設置場所に対応しています。
また冷風扇と呼ばれる、冷風を出して局所的に気温を下げることができる送風機もあります。どうしてもエアコンを設置できないという環境でおすすめです。
遮熱用品
直射日光を防ぎ、日陰を作るアイテムです。
屋外だとこのアイテムだけで現場全体の日差しを防ぐことはできませんが、休憩所など部分的に活用することで熱中症を防げます。
また工場など屋内の現場であれば、窓に貼るタイプの遮熱シート等をつかえば日差しが入ってくることを防ぐことができます。
ファン付き作業服・空調服
ファン付き作業服も熱中症対策に大きな効果が見込めます。
安全のために丈夫に作られている作業着は、夏場にはとても暑くなりますよね。
熱が放出されずこもってしまうため、体温が調整できない状態になってしまう可能性があります。
ファン付き作業服とは、バッテリー駆動のファンがついている作業服です。
服の中に外気を取り込むことができるため、炎天下で風が吹いていないというような環境であっても涼しさを感じることができます。
ファン付き作業服は屋外で活躍しそうなイメージですが、屋内でも重宝するアイテムです。
工場全体を冷房で涼しくするよりもコストがかからないからです。
耐水や耐火などいろいろな機能を持ったものがあるため、作業内容に合わせて最適な製品を選ぶことができます。
【まとめ】熱中症対策グッズの適切な利用が大切!
いかがでしたか?
熱中症は時として重症や死亡に繋がる危険な病気です。
こまめな水分補給だけでなく、熱中症対策グッズを適切に導入することで複数の角度から熱中症の対策をすることができます。
熱中症対策グッズをうまく活用し、現場の暑い夏を乗り越えましょう!
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