レーヨン素材の特徴は?メリットデメリットやお手入れ方法を解説!
衣類などによく使われる化学繊維の一つ、レーヨン。
今回の記事ではレーヨンのメリットデメリットやお手入れ方法を解説していきます。
レーヨンとは
まずはレーヨンがどんな素材なのかを見ていきましょう。
レーヨンは再生繊維の一種
まずはレーヨンの分類です。
繊維が大きく天然繊維と化学繊維に分けられることはご存知だと思います。
そのうち化学繊維はさらに再生繊維・半合成繊維・合成繊維に分かれ、レーヨンはこのうち再生繊維にあたります。
再生繊維は植物繊維の主成分であるセルロースを取り出し、それを繊維として「再生」したものです。
ちなみに衣類の素材としてポピュラーな合成繊維は、繊維を化学的にゼロから合成しています。
その他の再生繊維にはキュプラ、ポリノジックという繊維があります。
再生繊維として世界初
再生繊維の歴史は意外にも古く、19世紀後半にヨーロッパでその技術が発明されました。
そのなかでレーヨンは世界初の再生繊維として世に出されました。
合成繊維として世界初のナイロンは1935年に発明されたため、再生繊維の歴史の長さを感じることができますね。
特徴はシルクのような光沢感
レーヨンはシルクのような光沢感が特徴の素材です。
レーヨンが発明された背景には、その当時シルクが非常に高価だったことがあります。
当時のヨーロッパではシルクはとても価値が高く、貴族しか手に入れることのできなかったため、その代替として似た特徴を持ったレーヨンが生まれました。
レーヨン素材のメリット
シルクのような光沢感
特徴でも説明した通り、シルクの代替品として生まれたレーヨンはシルクに似た光沢感があります。化学繊維であるにもかかわらず、高級感のある美しさがあります。
肌触りの心地よさ
なめらかな肌触りもレーヨンのメリットの一つです。
こちらも光沢感同様シルクを模した素材のため、シルクに似た肌触りを再現しています。
そのため衣服に使うことで、肌に触れていてもさらさらとして心地が良いです。
高い吸湿性と通気性による快適さ
化学繊維といえば、水分を吸わないため汗をかいたときにベタついて気持ち悪いというイメージがあるかもしれません。
たしかに、同じ化学繊維に分類されるポリエステルをはじめとした合成繊維はそのような特徴があります。
しかしレーヨンは水分をよく吸ってくれる上に通気性も高いため、汗ばむ季節は比較的快適に過ごすことができます。
染色性が高い
染色性とは、色の染めやすさのことです。
レーヨンはこの染色性に優れているため、衣服として加工する際に思った色にしやすいという特徴があります。
高いドレープ性
レーヨンはドレープ性が高いことで高級感を出してくれます。
ドレープ性と言う言葉はもしかしたらあまり馴染みがないかもしれません。
ドレープ性とは、自然で優美なたるみができる性質のことです。
ペラペラした薄手のカーテンに対して、厚みがあり綺麗なたるみができるカーテンをドレープカーテンと言ったりします。
Googleの画像検索で「ドレープ性」と検索すると、視覚的にイメージが掴めると思います。
静電気が起こりにくい
静電気が起こりにくいのもレーヨンの特徴です。
ポリエステルやアクリルなどの合成繊維は非常に帯電しやすいため、化学繊維は静電気が発生しやすいというイメージがあるかもしれません。
しかしレーヨンは静電気が起こりにくいので、空気が乾燥する冬の時期であってもバチッという痛みを感じることがないほか、他の繊維とくっついてシルエットが崩れてしまうといったことも防ぐことができます。
リーズナブルに手に入る価格
上記のような特徴を持ちながら、価格が安いこともメリットです。
本物のシルクさながらの高級感をリーズナブルに手に入れられるのはすごいことですね。
レーヨン素材のデメリット
一方でレーヨンにも欠点はあります。
縮みやすくシワになりやすい
レーヨンは水洗いをすると縮みやすくシワにもなりやすいというデメリットがあります。
水洗いで縮んでしまうのは、植物から取った繊維からできているからです。
この繊維はとてもよく水を吸うため、濡れて糸が膨張するとお互いに引っ張り合って隙間がなくなってしまうのです。
これはレーヨン素材が吸水性・吸湿性に優れているメリットの裏返しです。
レーヨンの水に対する弱さは日常使いにも注意が必要で、例えば雨で濡れただけでも縮んでしまうことがあります。
シワや縮みを防ぐための正しいお手入れ方法はこの後説明します。
熱に弱い
またレーヨンは熱にも弱いです。
シワができやすいのでアイロンをかけたくなりますが、かけ方に注意しなければ生地がダメになってしまいます。
このやり方も後ほど解説します。
レーヨンは何に使われている?
ここまで見てきたように、レーヨンは高級感や快適性のある素材である一方、耐久性が低く少し手間のかかる素材です。
こういった特徴を踏まえ、レーヨンはどのような用途に適しているのでしょうか?
特別感のある服装
レーヨンのシルクのような高級感は、ドレスのような特別な日の服装にぴったりです。
他にもシャツやブラウスなどビジネスやフォーマルな場面にも合います。
お手入れに気を使うことから、毎日着て洗濯が必要なシーンよりも上記のような特別なシーンで利用するのがよいでしょう。
衣類の裏地
レーヨンは衣類の裏地にもおすすめです。
肌触りが心地いいことから、例えばスカートの裏地などにレーヨンを選ぶとサラサラして汗でベタついたりもしないので快適になります。
裏地は基本的に見えない部分であるため、見栄えはあまり気にする必要がありません。劣化しやすいレーヨンには都合がいいですね。
寝具やインテリア
レーヨンは衣類以外のアイテムにもおすすめです。
たとえば寝具は肌触りが大切なことに加え、吸水性・吸湿性が重視されます。
どちらの点でも優れているレーヨンは寝具にもぴったりです。
また、インテリアでもカーテンなどの布製品にレーヨンを用いれば、美しい光沢感やドレープ性によって高級感を演出できます。
さらにインテリアであれば雨に濡れる心配がなく、さらに洗濯の頻度も高くないためレーヨンのデメリットを感じにくいでしょう。
お手入れは?レーヨン素材の洗濯方法
レーヨンは水や熱に弱い大変デリケートな素材です。
そのため日々のお手入れに気をつけなければ、長く使い続けることができません。
まずは洗濯表示を確認しよう
一口にレーヨンと言っても、100%レーヨンなのかそれとも混紡なのかによってお手入れの方法は変わってきます。
ですのでまずは洗濯表示を確認して、正しい洗濯方法や、してはいけないことを確認するようにしましょう。
レーヨン100%ならクリーニングがおすすめ
レーヨンだけが使われている場合、自宅での洗濯は難しいためクリーニングに出すのがおすすめです。
ウォッシャブルレーヨンという洗いやすく作られたものもあるので、どうしても自宅で洗いたい場合はそういった製品を選ぶようにしましょう。
レーヨン混紡の場合の洗濯方法
一部にレーヨンが使われた混紡の場合、自宅でも洗える場合があります。
洗剤には中性洗剤を使いましょう。オシャレ着用のものが好ましいです。
心配な場合は洗濯前に目立たない場所に洗剤を塗布し、色落ちしないかを試しましょう。
できるだけ水に浸っている時間を短くするためにも手洗いがおすすめですが、洗濯機の場合にはおしゃれ着モードにして洗濯ネットに入れることを忘れないようにしましょう。
洗濯後は直射日光が当たらないように風通しの良い日陰で干します。
アイロンをかけたい場合は、中温程度のドライアイロンを使い、当て布を被せてかけます。
水に弱いため、スチームアイロンは使用しないよう気をつけてください。
【まとめ】レーヨンは
デリケートながらもシルクのような高級感や心地よさのあるレーヨン素材。
うまく使えばとても優れた素材です。
素材の特徴やお手入れ方法を理解して、暮らしにレーヨンを取り入れてみましょう。
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