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建築資材はなぜ高騰?5つの理由と今後の見通しをわかりやすく解説!

建築資材の高騰が叫ばれ、建築業界に大きな影響を与えていると言われています。

しかし建築資材の高騰は複数の要因が絡まって起きている現象のため、どうしてそうなっているのか理解することが難しいです。
さらに現在進行形で発生している現象のため、キャッチアップも大変です。

そこで今回の記事では重要な5つの要因に絞って、建築資材が高騰した理由をわかりやすく解説していきます。

2024年の最新動向を踏まえた現状や今後の展望についても併せて解説していきます。

何が起きている?建築資材が高騰している現状

建築資材は年々高騰している

建築資材の物価は年々高騰している現状があります。

実際に数字で見てみると、2024年の東京都における建築資材物価は2021年から30%以上も上昇していることがわかります。

【参考】
一般社団法人 建設物価調査会「建設物価 建設資材物価指数Ⓡ 2024 年 4 ⽉分 【速報】」https://www.kensetu-bukka.or.jp/wp-content/themes/custom/pdf/newsrelease/20240502000001.pdf

建築資材の高騰により、建築費全体も急上昇

建築費とは、建築資材費に加えて人件費などその他の費用を加えた総費用です。
当然建築資材費が増えれば建築費全体も上昇します。

大東建託によれば、建築資材費は建築費の20%〜40%程度を占めるとしているので、その影響が小さくないことがわかります。

ちなみに建築業界では人件費も高騰しているため、建築費は歴史的な高騰に直面しています。

その影響はあらゆるところに現れており、例えば2025年に開催される大阪万博で使用される会場の建設費が、当初想定していた費用の1.9倍に増額されました。
これは2度目の増額であり、建築費が継続的に高騰していることがわかります。

【参考】
大東建託「建築費って上がる?下がる?わかる市場動向」
https://www.kentaku.co.jp/estate/navi/column01/post_213.html

日経XTECH「万博の会場建設費が当初の約1.9倍の2350億円に、資材・労務費上昇で500億円増」
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02484/110600022/#:~:text=2025%E5%B9%B4%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%8D%9A%E8%A6%A7,%E5%80%8D%E3%81%AB%E8%86%A8%E3%82%8C%E4%B8%8A%E3%81%8C%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%80%82

建築資材が高騰する5つの理由

ではこのような事態はどのようにして引き起こされたのでしょうか?

建築資材の高騰は1つの理由だけでは説明できず、複数の要因が絡み合っています。
ここでは特に影響を与えていると考えられる5つの要因にフォーカスして解説していきます。

理由①:大幅な円安

加速し続ける円安は建築資材の高騰にも影響を与えています。

日本で使用される建築資材の多くは、海外からの輸入によって賄われています。

円安状態において、輸入は不利になります。
円安は円の価値が下がることを意味するため、同じものを買うためにより多くの円が必要になるからです。

円安も複数の要因が絡み合った複雑な現象ですが、1つには日本とアメリカの金利差が原因であると言われています。

アメリカはコロナ後の深刻な物価上昇を抑えるために金利の引き上げを行いました。
一方の日本は低金利を維持しています。

投資家はより金利が高い通貨で運用したいと考えるため、米ドルの金利が上がった結果、円を売って米ドルを買うという傾向が強まりました。

通貨は売られることで安くなるため、今の円安状態になったと考えられています。

現在は1ドル150円を超えていますが、2020年ごろは1ドル110円以下でした。
たったの数年で約1.5倍円安になっているのですから、材料を輸入する業界にとってはかなり厳しい状況だとわかると思います。

理由②:半導体不足

電子機器に不可欠な半導体の不足も、建築資材を押し上げる要因の一つです。

一見建築業界とは無関係にも思われる半導体ですが、建物を建築する際にはエアコンや給湯器を始めとした電子機器が多く使用されます。

原因は半導体需要の拡大や米中の貿易摩擦による供給縮小です。
2024年以降、半導体不足は解消されていく見込みだと言われていますが、引き続き注視していく必要があるでしょう。

理由③:ロシア・ウクライナ戦争

ロシアとウクライナ間の戦争は、食料品を含めあらゆる身近なものの値段を上昇させました。

同時に資源価格も上昇したため、需要と供給のバランスが崩れ建築資材の高騰に繋がりました。

木材をはじめとした材料そのものの価格が上がったことはもちろんですが、エネルギー価格が上昇したことでも間接的に建築資材の高騰を招いています。

ロシア・ウクライナ戦争は未だ収束の見込みが立っていないため、今後の動きとその影響に注目が集まります。

理由④:ウッドショック

ウッドショックとは、世界的に木材価格が高騰した現象のことを指します。

日本の木材自給率はおよそ3割と低く、残りの7割を海外からの輸入に頼っている現状があります。
そのためウッドショックによる影響は大きく、建築資材高騰の原因となりました。

ちなみにウッドショックが発生した大きな要因は、新型コロナウイルスの感染拡大により、世界中で建築需要が高まったからだと言われています。
リモートワークの普及により郊外移住者が増えたり、金融緩和によりローンが組みやすくなった結果マイホーム需要が増えたりしました。

そのほか、木材の輸出大国であるカナダの虫害による供給減少などの要因も重なり、木材価格が大幅に上昇してしまいました。

理由⑤:アイアンショック

木材以外の材料も高騰しており、特に影響が大きいのが鉄です。

鉄が大幅に不足したことで、建築資材の鉄筋・鉄鋼の価格が高騰しました。
この現象はアイアンショックと呼ばれています。

ウッドショック同様、需要の急な高まりに供給が追いついていないことで発生しています。

鉄を作るための鉄鉱石に関して、日本はその100%を輸入に頼っています。
そのためアイアンショックの影響は甚大だと言えます。

【今後の見通し】建築資材高騰はいつまで続く?

建築資材高騰の高騰は、今後も解消されず続いてくと予想されます。
1つは要因が複雑であること、もう1つは問題の規模が大きいことが理由として挙げられます。

1つ目の要因の複雑性に関して、ここまで説明したように建築資材の高騰は1つの要因を解決すれば収束するような現象ではありません。
さらにそれぞれの要因もまた複雑な要因によって生まれているため、クリティカルな打ち手を打つことが難しい状況にあります。

2つ目の問題の規模の大きさについて、建築資材高騰の要因は日本だけでは解決ができないスケールです。
米中の貿易摩擦やウクライナ問題、日米間の金利差など複数の大国が関係しています。

このような理由から、建築資材高騰の解消は当面困難だと考えられます。

【まとめ】

建築資材の高騰について解説しました。

このトレンドは未だ収まる兆しが見えず、建設業界にとっては苦しい状況となっています。

建築資材の高騰は、もちろんここで解説しただけでは説明しきれないほど多くの要因によって生じています。

現象そのものやそれを引き起こす様々な要因について、自身のビジネスや生活にどのように影響するのかを考察することが重要です。

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